「人口・住宅センサスは、行政において本質的な役割を果たす」〜センサスの本質的役割1

1.2.(a) The population and housing census plays an essential role in public administration. The results of a census are used as a critical reference to ensure equity in distribution of wealth, government services and representation nationwide: distributing and allocating government funds among various regions and districts for education, health services, delineating electoral districts at the national and local levels, and measuring the impact of industrial development, to name a few. Establishing a public consensus on priorities would be almost impossible to achieve if it were not built on census counts.

実は何を隠そう、過去の勧告においては、人口センサスを実施する趣旨・目的が明記されてなかった!んだそうですw
まさに、国民の理解を全然得ようとしてこなかった某国と一緒じゃないですかwww

当然、そんな某国のみならず各国においても、統計関係者にしか重要性が分からず国民の理解を得られないことはもちろん、そればかりか途上国においてなど、調査の予算は組まれても集計の予算が組まれない、なんてことまで起こっていたんだとか。


ということで、今回の改訂で初めて勧告の冒頭に示された「本質的役割(Essential rolls)」は、以下の4点。

  1. 政府予算の配分や選挙区の画定などのための法定人口として利用される、行政にとって必要不可欠なもの
  2. 各種統計のベンチマークとなり、また、各種標本調査の標本抽出枠を提供する、統計体系の根幹を成すもの
  3. 小地域統計、あるいは小グループの人口について、誤差なく(あるいは最小の誤差で)結果を提供し、また任意の地域区分の統計を提供することのできるもの
  4. 将来人口推計など、各種分析・研究の基礎となり、行政だけでなく民間部門での利用も行われるもの

そして、冒頭引用は、このうちの1について述べています。


参考までに訳したのが以下*1です。

1.2(a) 人口・住宅センサスは、行政において本質的な役割を果たす。人口・住宅センサスの結果は、国民の平等性、公平性を確保するために利用される。例えば、センサスデータは、様々な地域や地区に政府の資金や福祉サービスを分配・配分する際に、また国・地方レベルの選挙地区を決定する際に、産業振興の効果を測定する際に利用される。センサスの統計が存在しなければ、これらの政策の優先順位を決め、国民の理解を得ることはほとんど不可能である。


これは、わが国が言っていること*2と全く同じであることが分かります。

(1) 公正な行政運営の基礎を成す情報基盤
 国勢調査による地域別の人口や産業別就業者数などの統計は、客観的なデータに基づく公正な行政を行うために、衆議院小選挙区の画定、都道府県・市町村議会の議員の定数、地方交付税の交付額の算定など、多くの法令に利用が規定されています。また、国勢調査から得られる人及び世帯に関する様々な属性別や地域別の統計は、国や地方公共団体における各種行政施策の策定・推進はもとより、その評価に広く活用されています。
 このように、国勢調査は、我が国の行政運営の基礎を成す情報基盤としての役割を果たしています。

人口センサス=国勢調査がなければ、国民の政策に対する理解を得ることは「almost impossible」と言いきっているわけですよ。
しかも世界中に向けて!




だけど、こんな大事なことが勧告に明記されるのが初めてって。。。


ちなみに日本での第1回国勢調査で採用された標語に、こんなんがあります。

一人の嘘は 万人の実を殺す

とっても((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルな感じですが、初めての実施であり、明治憲法下(大正9年)のことだからこそ許された表現、というところでしょう。
ですが、シンプルに本質をついた名言でもあります。






事業仕分けで「国勢調査の意義が低下している」旨の発言をした委員さんがいました。
その発言自体「国勢調査の結果を政策提案に使う脳みそは、自分は持ち合わせていませ〜ん(゚∀゚)アヒャ」と生き恥を晒してしまったことに他ならないわけですがw、その委員さんにしたって、ホントは単に国勢調査の有意性を知らないってだけなんだと思うんですよね。


そこで次回は、そのこととも関連した勧告内容について触れたいと思います。





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国勢調査担当者センサスちゃんのつぶやき written by センサスちゃん